若手の男性獣医師の場合

主な仕事内容を教えてください

毎朝、農家の方々から「発情が来ない」、「咳をする」、「歩き方がおかしい」など様々な稟告で往診依頼を受けます。また、病気の治療だけでなく子牛の去勢手術や予防接種なども仕事の一部になっています。

産業動物獣医師を志望したきっかけは何ですか

大学のNOSAI実習で見た獣医師は人間よりも体の大きな牛と向き合い、治療を終えたら農家の方とお茶を飲み、診療車を運転しながら「この季節はここの景色がきれいだよ」とか「ここの定食屋のカツ丼が美味い」など様々なことを教えてくださいました。こうした産業動物獣医師の仕事スタイルは私の性格にも合っていると思いましたのでNOSAIに就職することを決めました。

宮崎県NOSAIを選んだ理由は何ですか

私は福岡県出身ですが、東北の大学でしたので在学中から就職では九州に帰りたいという思いが強くありました。宮崎県は九州ではもちろん全国でも有数の畜産県であり、5年に一度開催される全国和牛能力共進会でも毎度優秀な成績を収めています。また、学会や雑誌などでも宮崎県のNOSAIの先生方を目にすることが多い上、宮崎大学の獣医学科とも連携して勉強会・研修会も行われていると聞き、産業動物臨床を学ぶならここしかないと感じました。

やりがいと苦労していることを教えてください

自分の治療した牛に発情が来たり、元気に飼料を食べ始めたり、あまり変わらなかったり、逆に前日より悪くなっていたり、自分の治療の効果がすぐに見えることでモチベーションも上がりますし、失敗もその原因を考えて次の症例に活かすことができるので、成功も失敗もすべて臨床獣医師のやりがいだと思います。

リフレッシュ方法は何ですか

温泉やサウナが好きなので休日は日帰り入浴によく行っています。宮崎県は海が大変美しく、特に日南海岸は絶景です。現在は日南市に住んでいますが、ドライブも兼ねて日南市内だけでなく宮崎市内の温泉にも通っています。夜は宮崎県内最大の繁華街「ニシタチ」で大好きな芋焼酎と地鶏、これが私の最高の休日です。

今後、どのような獣医師になっていきたいですか

産業動物獣医師は患畜をただ治せば良いわけではありません。治した上で乳量や食い込み、増体量を回復させなければなりませんし、高価な薬剤や検査機器を使えば良いというわけでもありません。どうすればその農家の事情・ニーズにあった結果に導けるか、私はまだそこまで頭が回らず治す方法を模索するだけで精一杯になっている感があります。日々の診療に追われる中でも一つ一つの症例にじっくり向き合い、農家の方と協力しながら両者が納得する治療ができる獣医師になりたいと思っています。

就職を考えている人へメッセージ

獣医師という職業は大変幅広く、私自身、入学時点でNOSAI獣医師を志していたわけではなく、正直なところその存在すらも知りませんでした。自分に合う職業というのは頭で考えているだけ、夢を見ているだけではほとんど分かりませんし、実際の現場やそこで働く獣医師を見て気持ちが変わることは十分にあります。実習に行ったところに必ず就職しなければならないということは決してありません。多くの現場を見て、先輩の話を聞き、皆さんが自分にとって最良の選択をできるように応援しています。

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